HPVと子宮頸がん
女性の子宮頸部にHPVが感染すると、その一部が持続感染となり、感染細胞からがん細胞へと変化し、子宮頸がんを発症することが知られています。日本では2000年以降、子宮頸がん罹患率が増加の一途を辿っており、とくに20代、30代での発症が増えています。
HPVワクチンの効果
HPVワクチンは海外や日本で行われた調査で、子宮頸がんの前がん病変(がんになる手前の状態)を予防する効果、また接種が進んでいる国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
HPVワクチン接種について
HPVワクチンは、世界100ヵ国以上で定期接種化されています。日本では2010年から接種が行われていましたが、2013年6月から積極的な勧奨が差し控えられていました。専門家の評価、検討により2022年4月から個別の勧奨が再開しています。
現在、公費で接種できるHPVワクチンは以下の3種類があります。
HPVワクチンのリスク(安全性)
ワクチン接種後の症状として頻度の高いものは、接種部位の疼痛、発赤(紅斑)、腫脹です。頻度は低いものの、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群などの重篤な副反応も報告されています。
また、HPVワクチン接種直後から、あるいは遅れて広範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動など多様な症状が現れた事例が報告され、機能性身体症状のメカニズムが考えられています。これまで様々な調査研究が行われていますが、ワクチン接種との因果関係は証明されていません。
接種対象者
*キャッチアップ接種とは?
HPVワクチン接種の積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方に対して、公平な接種機会を確保する観点から、時限的に(2025年3月末まで)、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を実施しています。